ブレーキシューのチェック
二輪のオートバイでは、前後輪それぞれにブレーキが設置されています。
前後でブレーキの種類が異なる車種は多く、毎日のメンテナンスではそれぞれの特徴を踏まえて行うことが必要です。
一般的なバイクのしくみとしては、フロントブレーキにはディスクブレーキ、リアブレーキにはドラムブレーキが設置されています。
ただ車種によってしくみが異なるので、まずは自分のバイクがどういったタイプのブレーキになっているか知っておきましょう。
ブレーキ点検のチェック項目の一つが「ブレーキシュー」で、これはドラムブレーキの構造の中の一つです。
ドラムブレーキというのはドラム(円筒形の部品)の内部を締め付けるようにして摩擦を起こし、回転スピードを落とすというしくみをしています。
ブレーキシューのことを「制輪子」「制輪片」「制動子」といった呼び方をすることもあります。
ブレーキシューは使用をしていくと次第に摩耗をしていく消耗部品であるため、定期的にチェックをして必要に応じて交換をしなければいけません。
ブレーキシューの摩耗具合をチェックするためには内部の構造を理解した上で行う必要があるので、慣れないうちはあまり不用意に分解をしない方がよいでしょう。
チェックを依頼するタイミングとしては、5万~10万km程度に一度見てもらい交換をするのが一般的です。
下手に分解をしてしまい、正しくもとに戻すことができないと、非常に危険な状態で走行をすることになってしまいます。
ブレーキの遊びのチェック
普段からできるブレーキのメンテナンス方法として、ブレーキの遊び部分のチェックがあります。
遊びというのはブレーキレバーを握ったり、フットブレーキを踏み込んだりしたときにすぐにブレーキがかかるのではなく、少し余裕をもたせてある部分のことです。
ブレーキシューが減ってくると、この遊びが大きくなってくるので、ブレーキをかけてから実際に速度が落ちるまでにタイムラグが発生するようになってしまいます。
もし普段の運転でなんとなくブレーキのききはじめが遅いなと感じたら、ブレーキシューの摩耗の可能性が高いので早めに修理工場で見てもらうようにしましょう。
遠出をする前には、この遊びがどのくらいかどうかを事前にチェックしておくことで安全に走行をすることができますので、必ずエンジンを掛ける前に確認してください。
特に不具合を感じなくても少しずつ摩耗は進んでいきますので、給油時や洗車時などSSに立ち寄ったときに定期的に見てもらうというのもおすすめです。
ブレーキシューの摩耗は通常であれば5万~10万km程度ですが、長い下り坂でブレーキをかけっぱなしにするなどの走行方法をしていると、それ以前に摩耗が進むことがあります。