ラチェットレンチの使用方法

ラチェットレンチ

ラチェットレンチができた経緯

ラチェットレンチとは、ラチェット機構を使うことができるソケットレンチのことです。
バイクに使用されている金具として多くのソケットが使用されていますが、その開閉をすべて手動で行うのは非常に手間がかかります。
そこでラチェット機能をつけることにより、作業にかかる労力を大きく減らすことができるようになりました。

このソケット部分を差し替えて一本のラチェットで複数のネジを回すことができるようにした素晴らしい発明品は、アメリカの大手工具メーカーである「Snap-on(スナップオン)」によって行われたものです。
スナップオンと言えば現在も人気の高い有名なメーカーですが、意外にこのラチェットレンチ発明について知らない人が多いようです。

歴史的には1920年代の始め頃、Tフォード型の量産型自動車が発明をされた時代に、より効率良く多くの作業をする工具の需要が高まりました。
当時の工具は通常のレンチしかなく、大きさの異なるネジを回す場合、いちいちレンチを持ち替えしなくてはならないという問題があったのです。

そこで10種類のサイズのソケットを一本のレンチで回すことができるように、部品入れ替え型の工具が開発されました。
この発明をしたのがスナップオンの創業者であるジョセフ・ジョンソンで、当時勤務をしていた会社で提案をしたものの却下をされたため、この工具をもとに独立を決意したと言います。

当時のキャッチコピーとして採用されたのは「5 Do Work of 50」で、直訳をすると「5本で50の仕事をする」という意味です。
現在ではより改良を重ね、50どころか無限と言ってもよいほどの組み合わせで作業できるようになっています。

ラチェットレンチの使い方

ラチェットレンチの種類としては、「片口ラチェットレンチ」「両口ラチェットレンチ」の二種類があります。
片口ラチェットレンチは頭部に設置するソケットが片側1つだけであるのに対し、両口ラチェットレンチは左右別々のサイズを設置することが可能です。

他にも深い部分に設置されているネジを回すことができるようにレンチ部分が細長い筒になっている「ロングソケットラチェットレンチ」や、逆に場所に余裕がない場所で作業をするのに適している「薄型ラチェットレンチ」などの種類があります。

ラチェットレンチの基本的な使い方としては、工具に設置されているピンもしくは爪を操作して、回転方向を一方に固定します。
そうすることで反対方向への回転を止めることができるので、簡単に開け閉め一方のみの作業をしていくことが可能です。

万能なように思えるラチェットレンチですが、粗雑に扱うことにより危険が発生することもあります。
慣れないと斜めがけや浅かけをしてしまい、十分にネジを閉めることができなくなるので、しっかり固定してから作業しましょう。