スパークプラグの交換時期と手順

スパークプラグ

スパークプラグの交換時期について

エンジンの始動性や走行の安定感に関わるスパークプラグは、定期的な交換が必要な部品のひとつです。使用しているプラグの種類によって寿命には大きな違いがあります。

一般的なノーマルプラグの交換目安は、普通車で1万5,000〜2万km、軽自動車では7,000〜1万km程度です。さらに、イリジウムプラグや白金プラグには2つのタイプがあります。長寿命タイプは中心電極と外側電極の両方が貴金属で構成されており、7万〜10万kmほど使える設計です。一方、標準タイプは中心電極のみが貴金属で、交換の目安は2万km前後となります。

これらの数値はあくまで目安であり、走行環境や使用状況によって前後することがあります。たとえば、短距離の繰り返し走行が多い場合やエンジンを高回転で使う場面が多いと、劣化の進行が早まるケースも見られます。

エンジンのかかりが悪い、アイドリングが不安定、加速が鈍いといった症状が出た場合は、早めに交換を検討しましょう。燃焼効率が下がると、燃費の悪化や他の部品への影響も懸念されます。整備記録を残しておくと、交換時期の判断に役立つでしょう。

スパークプラグ交換に必要な工具

スパークプラグの交換を行うには、いくつかの専用工具が必要です。もっとも基本的なのがプラグレンチで、16mmサイズが一般的です。プラグが奥まった位置にある場合は、エクステンションバーやラチェットハンドルを組み合わせると作業しやすくなります。

締め付けにはトルクレンチを使用しましょう。ネジ径14mmのプラグでは、25〜30N・mが一般的な目安ですが、必ず車両の取扱説明書やメーカーが指定するトルク値を確認してください。締め付けが弱ければ緩みの原因になり、強すぎるとネジ山を傷めるおそれがあります。

また、マグネット付きのプラグソケットを使うと、取り外し時にプラグを落とすリスクを減らせます。使う工具はあらかじめすべて揃えておくと慌てずに済みます。慣れていない方でも、道具が整っていれば落ち着いて進められるでしょう。

スパークプラグの交換手順

交換作業はエンジンが完全に冷えた状態で始めましょう。まずエンジンカバーを外し、イグニッションコイルを固定しているボルトを緩めて取り外します。コイルの配線は忘れないように、作業前にスマートフォンなどで写真を撮っておくのがおすすめです。

次に、プラグレンチを使って古いプラグを丁寧に取り外します。ねじ山に汚れがないかを確認し、必要であればエアブローで異物を飛ばしてください。新しいプラグを手で軽くねじ込み、トルクレンチで規定のトルクに従って締め付けます。潤滑剤などをネジ部に塗布するのは避けてください。

その後、イグニッションコイルを元の位置に戻し、エンジンカバーをしっかり取り付けます。作業が完了したら、エンジンを始動して異音や振動がないかを確認しましょう。問題がなければ、近距離を走行して様子をみてください。

自分の手で交換できると、車への理解が深まるだけでなく、メンテナンスへの意識も自然と高まります。