走る芸術品、MVアグスタバイクの特徴

レースの王者から走る宝石への転換を果たしたメーカー

「MVアグスタ(Agusta)」はイタリアのバイクメーカーです。
創業は第2次大戦以前ですが、本格的にバイクメーカーとして稼働を開始したのは戦後からであり特にレースシーンにおいて絶大な存在感を示しました。

しかし絶大な人気を誇ったバイクブランドに成長をしたものの、親会社の意向により1976年に一旦バイク製造から撤退をしてしまいます。

これは「MVアグスタ」をバイクレースの一流メーカーにした二代目社長のドメニコ氏が死去をして弟のコラード・アグスタ氏に引き継がれたことによるもので、それから1997年になるまではオートバイの生産ラインを停止して航空機へ事業を一本化します。

バイクブランドとしての復活は、同じくイタリアのバイクメーカーである「Cagiva(カジバ)」によるもので、かつてバイクシーンにおいて存在感を示していた「MVアグスタ」の名前を復活させようというプロジェクトを立ち上げました。

ちなみに「カジバ」は他にも「ドゥカティ」や「モト・モリーニ」を買収するなど巨大なバイクメーカーとして成長しましたが、のちに経営難からそれぞれの企業を売却してゆき現在では自社製の製品のみを取り扱っています。

創業からモーターサイクル製造をしていた第一期では「レースの王者」という名称で褒め称えられてきましたが、生産停止をへて復活をした第二期からはそのデザイン性の高さから「走る宝石」「走る芸術品」と呼ばれています。

復活した「MVアグスタ」と「F4 Serie Oro」

「MVアグスタ」というバイクブランドの完全復活となったのは、1997年のミラノショーにおける「F4」のプロトタイプからです。

ちなみに1950年代~1970年代のレースシーンで使用されたレトロデザインも現在高い人気となっており、日本でもテレビドラマや特撮ものとして多く登場しています。

独特の丸みのある車体はあまりバイクに詳しくない人でもレトロおもちゃとして見たことがあるはずです。

「走る宝石」と言われるほど美しい車体である「F4」シリーズはコーポレートカラーである赤色をメインに使用しています。

他のモデルではイタリア国旗をモチーフにした赤・白・緑の三色カラーを用いたものもあり、日本の道路で走行している様子は大変インパクトがあります。

最近の大きな動きとしては2016年に新型「F4」である「F4Z」というモデルが発表されています。
ただし依然としてMVアグスタは経営が厳しい状況におかれているようで、倒産報道もされています。

新「F4」が登場したことによりバイクメーカーとして今後どのようになっていくか非常に注目をされています。