コーナリングに強い！ビューエルバイクの特徴

ハーレーダビッドソンのエンジンを搭載したスポーツバイク

「Buell（ビューエル）」はアメリカ合衆国のオートバイブランドです。
独立したバイクブランドとしてよく知られている一方で、ハーレーダビッドソン製のエンジンを搭載しているということも大きな特徴となっています。

創業のきっかけは1983年に当時ハーレーダビッドソンのエンジニアであったエリック・ビューエルがオリジナルのバイクである「RW750」を開発したことによります。

この「RW750」をメインとして、1986年に「ビューエルモーターサイクルカンパニー」を設立したことがもとになっており、当時はハーレーダビッドソン製そのままのエンジンをオリジナルフレームにマウントをしていました。

「RW750」はロードスポーツバイクとしてモデリングされており、クルーザーやネイキッドバイクが中心のハーレーダビッドソンとはコンセプトが大きく異なるものです。

1988年には一旦はハーレーダビッドソンに買収をされて「ビューエル」はハーレーダビッドソンの社内ブランドの一つになりましたが、完全に融合をされることなく独自に開発・販売を展開しています。

しかしながらバイク市場全体の低迷もあって、2009年10月にはハーレーダビッドソン本社がビューエルの生産を停止することを発表しており、これによりハーレーダビッドソンエンジンのスポーツバイクの新車はなくなってしまいました。

「ビューエル」最大の特徴は、やはり圧倒的な大排気量のハーレーダビッドソンのエンジンをスポーツバイクとして使用しているという点です。

ハーレーダビッドソンは好きだけれどもレースサーキット場では走行をすることができないのが悩み、という人にとってはまさにぴったりの車体と言えます。

「ビューエル」はただハーレーのエンジンを搭載しているだけでなく、他にも多くの独自の特徴を備えています。

具体的にはラバーマウントによりフレームとパワートレインを繋いでいるということで、ハーレーエンジン独特の振動を抑えることができているという点です。

他にもマフラーやサスペンションといった重量のある部品を車体の中心底部に配置していることにより、車体の重心を崩れにくく安定的にしているということがあります。

シリーズ車種として販売されていたのは3種類で、「ファイヤーボルト」「ライトニング」「ユリシーズ」です。

このうち注目なのが「ユリシーズ」で、2006年より追加された車種であり、「フラットダート最速」とまで言われた高性能のマルチパーパスモデルとして人気になりました。

マルチパーパスではオンロード/オフロードいずれにも高い走行性能を発揮しますが、それまでロードスポーツタイプ中心であったビューエルとしては思い切った転換でした。